診療案内

不妊の検査

_女性ホルモン基礎検査
(FSH、LH、PRL、E2)

排卵や妊娠に関わるホルモンを調べる検査です。女性ホルモンの乱れは、排卵周期の乱れや閉経の可能性、不妊の原因と関係があり適切に評価することが必要です。FSHやLHは卵巣機能や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の評価指標の一つとなります。PRL(プロラクチン)は乳汁分泌ホルモンと言われ、着床障害の原因とされる高プロラクチン血症の評価指標となります。
妊娠を考える女性としてまずは受けておくべき基礎検査です。生理周期2〜5日目での検査となります。

_AMH(抗ミューラー管ホルモン)

いわゆる卵巣のポテンシャル(卵巣予備能)を評価するホルモンです。年齢ベースでの平均値があるため、これにより「あなたの卵巣年齢は何歳くらいですね。。」と言われることがあります。
通常は卵巣に残されている卵子の数を反映しているとされますが、卵子の質を評価しているわけではありません。体外受精時の卵巣刺激を決める際には参考指標の1つとなります。

_尿中LH検査

排卵時期の推定に使用されます。通常は尿簡易キットにて検出できます。

_黄体期ホルモン検査(E2、PRG)

排卵後に形成される黄体により分泌されるホルモンで、子宮内膜の環境を整えたり、妊娠の継続に必要不可欠なホルモンです。この値が低い場合には黄体機能不全の可能性があり、適切なホルモンサポートが必要となります。
基本的には、排卵を確認した後の検査となります。

_抗精子抗体

精子を不動化させてしまう因子です。どんなに夫の精子が良好であっても、抗体があると膣内で精子は活動できなくなり不妊の原因になります。場合により体外受精の適用になります。採血検査にて調べることができます。

_甲状腺機能検査(TSH、FT3、FT4)

Basedow病や橋本病といった甲状腺の機能異常がある場合には不妊症の原因となる場合があります。又、妊娠中には、甲状腺ホルモンは胎児の発育へ影響があるとされています。検査で異常が認められた場合には専門医の精査、必要に応じて治療が必要となります。

_経膣超音波検査(エコー検査)

子宮や卵巣の状態を評価することができます。子宮筋腫や子宮内膜症、腺筋症、卵巣腫瘍などを見つけることができます。又、卵胞の発育や子宮内膜の状態も評価することができます。
卵巣腫瘍など、女性特有の病気の中には無症状で経過するものが多くあるので、定期的なエコー検査は必要です。

_風疹抗体検査

免疫のない女性が妊娠初期に風疹にかかると、ウイルスが胎児に感染して、出生児に先天性風しん症候群 (CRS)と言われる障害を引き起こすことがあります。CRSの3大症状は先天性心疾患、難聴、白内障です。3大症状以外の症状には、網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球など多岐にわたっています。
妊娠を考えているご夫婦は風疹抗体検査をおすすめします。抗体がない、あるいは抗体が十分でない場合には、ワクチン接種が勧められます。なお、風疹ワクチン接種後2か月間は避妊が必要となります。
未来に出会う大切な赤ちゃんが生まれつきの病気を持たないよう、ママになる前にしかできないことの1つです。

_クラミジア抗体検査

クラミジアによる卵管炎や付属器炎を放置すると卵管障害を引き起こし難治性卵管不妊、卵管妊娠の原因になります。
卵管造影検査を受ける際には、必ずこの検査を受けていただくことが必要です。(他院での結果等があるようでしたらお申し出ください。)

_子宮頸がん検査、子宮体がん検査

区がん検診などは気軽に当クリニックまでご相談ください。妊娠を考えていらっしゃる方はもちろんですが、基本的には定期的に検査を受けることが推奨されています。子宮頸がんは、20歳代後半から30歳代後半という若い世代の方でもかかりやすいがんです。そのため、20代からの検診が推奨されています。
検査は生理中の場合でも出来ますが、正しい結果が得られない場合もあります。各自治体の子宮頸がん検診の注意事項で定められている場合もありますので確認してみてください。市区町村による住民健診、職場での検診などによって自己負担額は異なります。各自治体の検診を受ける方は、各自治体のがん検診ホームページまたはがん検診窓口へお問い合わせください。

_精液検査

不妊の原因の約50%は男性側の原因によるものです。精子の評価は、結果により不妊治療の方向性を決めてしまうため、まず最初に行うべき検査の一つです。
当クリニックでは、最新のWHO精液検査ラボマニュアル第5版(2010年)に準拠し検査を行なっております。
なお、必要に応じて精査、治療が必要な場合には、当クリニックと連携している泌尿器科の専門医と連携させていただきます。

_フーナーテスト

精子頸管粘液適合試験の1つです。フーナーテストでは、性交後の子宮頸管粘液内にある精子の数や運動状態などを調べます。
これにより、精子がきちんと頸管粘液中に進入しているか、又、頸管粘液が精子を受け入れる能力があるか、精子が頸管粘液に到達し生存できているかを評価します。
検査結果が不良な場合は,免疫性不妊を疑い,抗精子抗体を調べる必要があります。頸管粘液中の抗精子抗体は,精子の凝集や不動化を引き起こすため、体外受精へのステップアップが必要となります。

_子宮鏡検査

子宮鏡検査

細いファイバーカメラによって子宮の内部の状態を直接観察します。超音波検査や卵管造影検査などで、子宮内部にポリープなどが疑われる場合、原因不明の不妊の場合などに行います。
検査時に生理食塩水を子宮内部で還流させるため、検査後の子宮内部の着床環境が改善されるとされています。子宮卵管造影検査と同様に治療効果のある検査です。処置には麻酔も必要ありません。検査は3分程度で終わります。
検査できる時期が限られているため検査のタイミングについては当クリニックにご相談ください。

_子宮卵管造影検査

子宮卵管造影検査

子宮の内部の形の異常や、卵管の通過性を見る検査です。
卵管は、精子と卵子の受精する重要な場です。通過性が妨げられていると夫婦生活や人工授精だけでは妊娠することが困難となります。
子宮の形状の異常も不妊の原因となるため、自然妊娠を目指す方なら、初期の段階で必ず受けておくべき検査と言えます。
検査は、子宮内に細いカテーテルチューブを挿入し、造影剤を注入しながらレントゲン撮影を行います。造影剤の圧入によって軽度の卵管内の癒着が剥がれる場合もあり、卵管の通過性改善という治療効果もあります。卵管造影検査は、検査後の妊娠率の改善がデータ的に認められています。又、超音波通水検査では評価できない子宮内腔異常の評価も可能です。検査によるレントゲンの被ばく線量は微量であり、妊娠にとって影響はありません。

_AGES(終末糖化産物)

健康や美容に悪影響を及ぼす要因として「糖化の進行」が近年、注目されています。糖は身体のエネルギー源として必要ですが、糖質の摂りすぎは身体や肌の老化を促進させてしまいます。この糖化反応により、人間の身体の大部分を構成するタンパク質と糖質の結合に異常が生じた後にできるのがAGEs(最終糖化生成物)です。これは、身体の中で蓄積されていきます。
AGEsの増加はタンパク質変化を引き起こし、糖尿病、動脈硬化、高血圧症、がん、腎疾患、骨粗鬆症、神経疾患など、加齢と関係性のある様々な疾患の誘発につながります。最近では、酸化ストレスマーカーとしてその活用方法が注目されてきています。不妊症の分野でも、機能の加齢変化という観点からストレスの影響が注目され始めてきています。卵巣も身体の一部であり、ストレスの影響としての加齢変化を受けます。
自分のストレスレベルを把握しておくことは、自分自身のエイジングの質を上げるために必要です。

_感染症スクリーニング検査

B型肝炎、C型肝炎、HIV、梅毒の検査(採血検査)を実施します。
これらの感染症は妊娠に際して母児共に影響を与える可能性があります。妊娠前からあらかじめ検査をしておくことが大切です。