加齢やホルモンバランスの変化により、髪のボリュームが減少したり、分け目が気になったりする方が増えています。抜け毛が気になり始めた段階で正しい知識を身につけ、適切な対策を始めることが大切です。
ただ、抜け毛対策には日々のケア方法や生活習慣の見直し、医療機関での治療など、状態に合わせた選択肢があり、どれを選べば良いのか迷う方もいるでしょう。
そこで本記事では、女性の抜け毛の原因から予防法、最新の治療法まで実践的な対策方法をまとめました。抜け毛の改善に向けて、まずは自分に合った方法を見つけていきましょう。
女性の抜け毛対策は生活習慣の改善で今日からでも始められる

抜け毛に悩む女性が実践できる対策は、大きく分けて以下の4つです。
- 頭皮ケア
- ストレスをためない
- 睡眠の質を改善する
- 食事管理
これらの対策は、特別な治療を必要とせず、毎日の生活の中で自然に取り入れられる方法ばかりです。まずは自分に合った対策を見つけ、継続的に実践することから始めましょう。
シャンプーやマッサージなどの正しい頭皮ケアで抜け毛を減らす
抜け毛を防いで健康的な髪の毛の状態を保つなら、正しい頭皮ケアを覚えることが重要です。頭皮ケアの基本は、頭皮の清潔さと血行を保つことにあります。頭皮に皮脂や汚れが蓄積すると、髪の成長を妨げる原因となります。
使うとかゆみが出たり、乾燥してフケが出たりといったシャンプーは肌に合っておらず、かえって抜け毛が進む可能性もあります。
また、シャンプーの種類以外に、指の使い方も重要です。日々のケアでは、頭皮を優しく洗うことから始めましょう。マッサージは血行促進に効果があり、髪の健康に必要な栄養を届ける働きがあります。正しい頭皮ケアを習慣化することで、健康的な髪の毛を保つための土台を作ることができます。
なお、髪の乾燥を防ぐため、冷暖房の効いた室内では加湿器の使用を心がけます。また、髪の毛に負担をかける強く縛った髪型や、ヘアアイロンの過度な使用は控えめにすることが望ましいでしょう。
抜け毛を防ぐシャンプーの手順
お湯が熱すぎると頭皮の乾燥やフケ、かゆみの原因になるので38度くらいに調整しましょう。
500円玉大のシャンプーを手のひらで泡立ててください。
生え際や後頭部は丁寧にマッサージしましょう。
少しぬるめのお湯にすると頭皮を引き締める効果が期待できます。
ゴシゴシこすると髪の毛や頭皮にダメージがあるのでNGです。
効果的な頭皮マッサージのやり方
頭皮マッサージは、両手の指の腹を使って優しく円を描くように以下の順番で動かしていきます。
1か所につき10秒程度、全体で3分程度
- 生え際
- 耳の後ろ
- 後頭部
- 頭頂部(重点的に)
- 耳の上の側頭部から頭頂部へ
- 前頭の生え際から頭頂部へ
指の腹で軽くもみながら行うと効果的ですが、強く押しすぎないように注意しましょう。力加減は、頭皮が少し動く程度が適切です。朝晩の習慣にすることで、血行促進効果を高め、髪の毛の成長を促進することができます。
髪や頭皮のダメージは、日々の生活習慣や美容施術によって蓄積されるので注意が必要です。
シャンプーの洗い過ぎや、強すぎるブラッシング、熱を加えるヘアスタイリングは、髪の表面を傷つけ、頭皮に負担をかける原因となります。特に紫外線や乾燥、摩擦によるダメージは、髪のキューティクルを傷つけ、パサつきや切れ毛を引き起こします。
また、カラーリングやパーマなどの化学処理は、髪の内部構造を変化させ、髪が弱くなる原因となります。ダメージを予防するには、髪質に合った洗髪方法の見直しや、適切なヘアケア製品の選択、化学処理の頻度を控えめにすることが重要です。
ストレスをためないように生活する
ストレスは抜け毛を引き起こす一因にもなると言われている※1ため、ストレスをためないように生活することも抜け毛対策として重要です。
まず、日常生活でどんなことに対してストレスを感じているかを見直して、その原因から距離をおけないかを考えましょう。
また、ストレス解消できる趣味を持つことも有効です。旅行やドライブ、カラオケ、スポーツなどストレスを解消できるならどんな趣味でも構いません。
ほかにも深呼吸やストレッチ、軽い運動が効果的です。定期的な運動は血行を促進し、頭皮の健康維持に役立ちます。休日にはゆっくりと入浴し、温かいハーブティーを飲むなど、心身をリラックスさせる時間を作ることが大切です。
ストレスを全く感じないのは難しく、どんな人でも毎日何かしら感じているものです。ストレスを抱えすぎる前に解消する方法を知っておくと、薄毛対策としても活用できるでしょう。
睡眠の質を改善して髪の毛の成長を促す環境を整える
睡眠の質を改善できれば、薄毛対策として効果を期待できます。
髪の毛の成長には成長ホルモンが身体から分泌することが重要ですが、6~8時間ほどのまとまった睡眠が必要とされます※2。
特に入眠直後の90分間は成長ホルモンの分泌が増えることから、寝はじめにぐっすりと眠れるように睡眠の質の改善方法を探してみると良いでしょう。
睡眠時間の確保が重要となり、夜10時から深夜2時までの間(いわゆるシンデレラタイム)に十分な睡眠を取ることで、髪の成長に必要なホルモンの分泌が促進されます。
質の良い睡眠を確保するためには、就寝時間を一定にすることから始めます。寝室の温度は28度以下、湿度は40~60%程度に保ち、快適な睡眠環境を整えましょう。
就寝前のスマートフォンやパソコンの使用は控え、1時間前からはリラックスタイムを設けることで、自然な眠気を誘います。
睡眠の質を高める例・夕食を就寝3時間前に済ませる
食事後にすぐ寝てしまうと身体は消化を優先するため、内臓が休息する時間が短くなります。消化にパワーを使う分、同じ睡眠時間でも眠りが浅くなったり、疲れがぬけなくなったりする可能性があります。
食事から3時間以上あけてから眠ることで、身体の消化活動が完了しており、質の良い睡眠になるでしょう。
育毛に役立つ栄養成分を意識した食事の見直しで抜け毛を予防する
髪の毛の健康を保つには、必要な栄養素を日々の食事から摂取することが基本となります。
薄毛予防や育毛に効果的な栄養成分と効果
栄養成分 | 育毛・薄毛対策に期待できる内容 |
---|---|
たんぱく質(アミノ酸) | 髪の毛の主成分である「ケラチン」を構成する栄養素である 魚介類や肉類、卵類に多く含まれる |
ミネラル(亜鉛) | 細胞の新陳代謝を促し、毛母細胞の分裂を活発にする 牡蠣やナッツ類に多く含まれる |
ビタミンA | 頭皮の皮脂分泌を正常に保つ |
ビタミンB群 | 毛根への栄養供給を助ける 玄米や雑穀、緑黄色野菜に多く含まれる |
ビタミンC | コラーゲンの生成を助ける |
ビタミンE | 血行を促進して頭皮に栄養を届ける |
鉄分 | 血液によって頭皮や髪の毛の細胞に酸素や栄養を供給する際に不可欠 レバーやほうれん草などに多く含まれる |
- 朝食
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卵・納豆+緑黄色野菜をメニューにとりいれる
- 昼食
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サーモン・マグロ+緑黄色野菜などをメニューにとりいれる
- 夕食
-
鶏肉・豚肉+緑黄色野菜などをメニューにとりいれる
- 間食
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ナッツ類や果物を選ぶ
このように、栄養バランスを意識した食事を継続することで、髪の毛の健康維持につながります。
女性の薄毛対策に効果的な育毛剤や医療機関での治療

抜け毛の進行が激しい場合、日常的なケアだけでは対策できないことも多いです。
ケアだけで抜け毛が全く改善しない場合、女性の抜け毛防止に効果を期待できる以下の方法を試してみましょう。
- 育毛剤の購入
- 医療機関の受診
薄毛の改善が期待できる育毛剤で対策
頭皮に直接塗るタイプの育毛剤は、抜け毛予防や育毛の促進に対して効果が期待できます。
ネット通販で気軽に購入できる商品もあるため、医療機関やクリニックを受診する時間がない方や、勇気が出ない方はまずは女性向けの育毛剤から試してみても良いでしょう。
- 女性ホルモンのバランスを整える成分
- 血行を促進する成分
- 髪の成長を促す成分 など
育毛剤の使用方法は、清潔な頭皮に直接塗布し、指の腹でマッサージしながら浸透させることが基本となります。朝晩の使用が推奨され、3~6ヶ月程度の継続使用で効果を実感できる場合が多いとされています。
育毛剤の有効成分と働き
育毛剤の有効成分は、作用メカニズムによって大きく4つに分類されます。
- ミノキシジル
-
血行促進成分。血管を拡張させることで頭皮の血流量を増やし、毛根への栄養補給を促進します。女性用育毛剤では1%以下の濃度で配合され、1日2回の使用で効果を発揮します。
- カフェイン
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毛根の代謝を高める働きがあり、毛髪の成長期を延長させる効果が臨床で確認されています。
- センブリエキス
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頭皮の炎症を抑える作用に加え、毛根の細胞に直接働きかけ、発毛を促進します。特に女性特有の薄毛に効果的とされる育毛成分です。
- ビタミンE誘導体
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抗酸化作用により活性酸素から毛根を守り、髪の成長環境を整えます。また、頭皮の保湿効果も高く、バリア機能の維持に役立ちます。
これらの成分は単体での効果に加え、複数の成分を組み合わせることで相乗効果を発揮することが研究※3で明らかになっています。
自分に合う育毛剤の選び方
育毛剤の選び方は、前述の育毛成分に加えて種類にも注目しましょう。
- ヒアルロン酸、グリセリン
-
頭皮の潤いを保つ。地肌が乾燥しがちな方におすすめ
- アルコールフリー、無香料、パラベンフリー
-
敏感肌の方におすすめ
- 液体タイプ
-
浸透力が高い
- ジェルタイプ
-
頭皮への密着性が高い
このようにさまざまな種類があるため、自分の生活スタイルに合わせて選択することをおすすめします。
医療機関・クリニックでは複数の方法を組み合わせた薄毛治療も可能
市販の育毛剤で効果が実感できないときや、速やかに育毛・発毛を成功させたい方には、医療機関やクリニックでの受診をおすすめします。
医療機関・クリニックでは、症状や原因に応じて複数の治療法を組み合わせた薄毛治療を行います。初期段階では内服薬や外用薬による治療から始め、症状に合わせて注射治療やレーザー照射を取り入れていきます。
薄毛治療の費用の目安
初診料 | 約5千円~1万円 |
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検査費用 | 約1.5万円~3万円 |
年間の総費用 | 約20万円~50万円 |
治療方法 | 費用の目安 | 治療効果を実感できるまでの目安期間 ※個人差あり |
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内服薬 | 約5,000円~15,000円/月 | ・2~3ヶ月で抜け毛の減少を実感 ・4ヶ月以降から髪のボリューム改善 |
外用薬 | 約7,000円~12,000円/1本 | ・1ヶ月程度で頭皮環境の改善 ・3ヶ月以降から新しい髪の成長が目立つ |
注射 | 約15,000円~30,000円/1回 | ・2~3回で頭皮の状態が改善 ・2ヶ月程度で髪のコシやハリを実感 |
レーザー照射 | 約10,000円~20,000円/1回 ※月2~4回の照射が一般的 | ・3ヶ月程度で変化を実感 ・6ヶ月以降でさらなる改善が期待 |
内服薬は個人の状態に合わせて処方される
内服薬治療では、女性ホルモンのバランスを整える治療薬や、毛髪の成長を促進する飲み薬を使用します。特に、加齢による女性ホルモンの低下が原因の場合、女性ホルモン補充療法が効果的です。
処方される内服薬は、血液検査やホルモン検査の結果に基づき、個々の症状に合わせて選択されます。副作用のリスクを考慮し、3ヶ月程度の服用後に効果を確認しながら、継続の判断を行います。
外用薬は毛根に有効成分を直接届けられる
外用薬は、頭皮に直接塗布することで、毛根に有効成分を届ける治療法です。医療用外用薬は、市販の育毛剤よりも高濃度の有効成分が配合されており、即効性が期待できます。
塗布は1日2回、清潔な頭皮に行い、指の腹でマッサージしながら浸透させます。外用薬の種類は、血管拡張作用のあるものや、抗アンドロゲン作用のあるものなど、症状に応じて使い分けます。
注射は直接頭皮に薬剤を注入できるので即効性が期待できる
注射治療は、毛根の活性化や血行促進を目的として行われます。成長因子を含む特殊な薬剤を、細い針で頭皮に直接注入することで、即効性の高い改善効果が期待できます。
治療は2週間から4週間おきに行い、3~6ヶ月の継続が推奨されます。痛みを軽減する工夫がされていますが、施術時の痛みを感じる場合もあります。
サプリメントで髪の成長に必用な栄養を補給する場合もある
サプリメントは、髪の成長に必要な栄養素を補給する補助的な治療法です。ビオチンやビタミンB群、亜鉛、鉄分などが配合された製品を、医師の指導のもとで使用します。
サプリメントの選択は、血液検査の結果を参考に、不足している栄養素を重点的に補給できるものを選びます。効果を実感するまでには3ヶ月程度の継続が必要です。
レーザー照射は発毛を促す治療法で他の方法と組み合わせる場合も
レーザー照射は、特殊な波長の光を頭皮に照射することで、毛根の血行を促進し、発毛を促す治療法です。照射時間は15分から30分程度で、痛みはほとんどありません。
治療は週1回程度のペースで行い、3~6ヶ月の継続が推奨されます。他の治療法と組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
女性の薄毛治療は抜け毛の原因によっては保険適用になる
女性の薄毛治療は、原則として保険適用外の自由診療となります。ただし、脱毛の原因が特定の疾患による場合は、保険適用となる可能性があります。
- 円形脱毛症
- 甲状腺機能障害による脱毛
- 貧血による脱毛
- 女性ホルモンの異常による脱毛
保険適用の判断は医師による診断が必要で、診断結果によって適用範囲が決定されます。
女性の抜け毛を引き起こすさまざまな原因と適切な対策

女性の抜け毛は、ホルモンバランスの乱れ、加齢、ストレス、妊娠・出産といった様々な要因が関係しています。
特に女性ホルモンの減少による抜け毛は、頭頂部や分け目付近から始まり、徐々に髪のボリュームが減少していく特徴があります。加齢による抜け毛は40代以降に増加し、髪全体の細さが目立つようになります。
また、過度なストレスや不規則な生活習慣も、抜け毛を引き起こす原因となっており、季節の変わり目には一時的に抜け毛が増える傾向にあります。
抜け毛の症状は原因によって進行パターンや改善方法が異なるため、早期発見と適切な対策が重要となります。
女性にみられる5種類の脱毛症
女性の抜け毛は、原因や症状によって特徴的なパターンを示します。
脱毛症の種類 | 特徴 |
---|---|
びまん性脱毛症 | ・加齢に伴って徐々に薄毛が目立つようになり、頭皮全体の髪のボリュームが減る ・男性のAGAのように局所的に髪の毛が抜けることは少なく、全体的に薄くなる ・FAGAとも呼ばれる |
円形脱毛症 | 髪の毛が円形(または楕円形)に抜け落ちる自己免疫疾患 |
分娩後脱毛症 | 分娩後に一時的に抜け毛が増える |
脂漏性脱毛症 | ホルモンバランスの乱れなどが原因で過剰に皮脂が分泌され、炎症を起こして脱毛する |
牽引性脱毛症 | ポニーテールなどの髪形を長く続けることで、前髪の生え際や分け目の髪が徐々に薄くなる |
びまん性脱毛症は、頭全体の髪が徐々に細くなり、密度が低下していく症状が特徴です。頭頂部や分け目の薄毛が進行的に広がり、頭皮が目立つようになっていきます。毛髪の密度低下は緩やかに進み、髪のコシやハリも徐々に失われていきます。
円形脱毛症は、突発的に円形や楕円形の脱毛部分が出現するのが特徴で、複数の箇所に同時に発症することもあります。休止期脱毛症は、身体に大きな変化やストレスが加わった際に発症し、一時的に大量の抜け毛が起こります。
通常は数か月で自然に改善する傾向にありますが、早期の対策により回復を促進することができます。抜け毛の症状は、それぞれに適した治療法や対策があるため、症状の特徴を正しく把握することが改善への第一歩となります。
注意が必要な抜け毛の状態と1日の本数
1日の自然な抜け毛は50~100本程度が正常な範囲とされています※4。
健康的な抜け毛は髪の根元に白い部分がある成長期の毛が多く見られます。シャンプー時の抜け毛は20~30本程度、ブラッシング時は10~20本程度が平均的な本数の目安となります。
異常な抜け毛の特徴として、根元が細く、髪全体が細い休止期の毛が目立つ傾向があります。季節の変わり目は一時的に抜け毛が増加し、1日150本程度まで増えることもありますが、2週間以上継続する場合や、頭皮のかゆみや赤みを伴う場合は、頭皮の状態を専門医に相談することをおすすめします。
抜け毛の本数は髪の長さや太さ、洗髪頻度によって個人差があるため、朝の枕や洗髪時、ブラッシング時の抜け毛をカウントすることで、自身の抜け毛の状態を把握することができます。
加齢による抜け毛では「1毛群あたりの毛髪数」が減少する
加齢による抜け毛の場合、「毛群」あたりの毛髪数が減少する傾向にあります。
毛髪は、通常なら2~3本、多いと4本以上の毛包が集まって生えています。1つの毛穴から生えているように見えても実際の毛包は異なり、この毛の束が「毛群」です。毛群1つあたりの毛髪数は加齢によって減少する傾向があります※5。
頭頂部のほうが後頭部より減少しやすい傾向にあり、これが頭頂部のボリュームダウンにつながっています。
女性の抜け毛を引き起こす原因はホルモンバランスの影響が大きい
女性の抜け毛は、エストロゲンとプロゲステロンなどの女性ホルモンの変動が大きく関係しています。
エストロゲンは髪の成長を促進し、髪を太く長く保つ働きがありますが、加齢や妊娠、ストレスによってバランスが乱れると、髪の成長サイクルに影響を与えます。特に40代以降は更年期に伴うホルモンバランスの急激な変化により、抜け毛が増加しやすくなります。
また、甲状腺ホルモンの異常も抜け毛の原因となり、甲状腺機能亢進症では髪が細く脆くなり、甲状腺機能低下症では髪のツヤが失われ、乾燥して抜けやすくなります。ホルモンバランスの乱れによる抜け毛は、血液検査やホルモン検査で原因を特定することができます。
女性も加齢により抜け毛が増える傾向がある
加齢に伴う抜け毛は40代から目立ち始め、50代以降で進行が加速する傾向にあります。
加齢により毛根の機能が低下し、髪の成長サイクルが短くなることで、髪が細く短くなっていきます。また、頭皮の血行も悪くなり、髪の成長に必要な栄養が届きにくくなることで、新しい髪の生成が遅くなります。
加齢による抜け毛は、頭頂部から始まることが多く、徐々に髪全体のボリュームが減少していきます。毛根の老化は避けられませんが、早期からの対策により、進行を遅らせることが可能です。
さまざまなストレスも抜け毛を引き起こす一因と言われている
心理的・身体的ストレスは、ホルモンバランスの乱れや自律神経の不調を引き起こし、抜け毛の原因になると言われています。
強いストレスを受けると副腎皮質ホルモンが過剰に分泌され、毛根の細胞に影響を与えることや、ストレスによる血行不良が頭皮の栄養供給を妨げ、髪の成長サイクルを乱す要因になると考えられています。
仕事や人間関係のストレスに加え、睡眠不足や不規則な食事、運動不足などの生活習慣の乱れも、慢性的なストレスとなって抜け毛を引き起こすかもしれません。
過度なダイエットが原因で栄養不足になり抜け毛を引き起こすことも
過剰すぎるダイエットも、抜け毛の大きな原因になります。ダイエットそのものが悪いわけではありませんが、あまりにも行き過ぎた食事制限をしてしまうことが問題です。
過剰なダイエットで食事量を普段から極端に減らすと体内の栄養が不足します。食事の内容が野菜やフルーツばかりに偏ってしまうことも同様で、髪の毛に重要なタンパク質が不足しがちに。体内の栄養が足りない場合、身体は髪の毛よりも生命維持に重要な機能の維持に栄養を回すようになります。
髪の毛に必要な栄養分をダイエットの食事制限で摂取できないことで、髪の毛が細くなったり生えにくくなったりして、薄毛が進行する可能性があります。
睡眠不足で髪が成長しにくくなって抜け毛が増えることもある
睡眠不足が続くことも抜け毛の原因になります。髪の毛の成長や頭皮の代謝に関係する成長ホルモンの分泌を減少させることになります。
成長ホルモンはタンパク質の合成を促すため、タンパク質を栄養として成長する髪の毛に欠かせません。
睡眠不足が続くことで髪の毛の成長が不十分になるだけでなく、髪の毛のハリやコシが失われて抜け毛や薄毛が進む原因になるため注意が必要です。
産後は急激なホルモンバランスの乱れで抜け毛が増えやすい
産後の抜け毛は、妊娠中に高まっていた女性ホルモンの急激な低下が主な原因です。妊娠中はエストロゲンとプロゲステロンの働きにより髪の成長期が延長され、通常よりも抜け毛が少ない状態が続きます。
出産後にホルモンバランスが急激に変化すると、妊娠中に成長を続けていた髪の多くが一斉に休止期に入り、大量の抜け毛として現れます。産後4か月から6ヶ月ころにピークに達し、産後1年頃に徐々に落ち着いていきます。
また、出産に伴う身体的なストレスや睡眠不足、栄養バランスの乱れも抜け毛を促進する要因となります。この時期の抜け毛は、髪の成長サイクルが一時的に乱れることによるもので、適切なケアと栄養管理により、徐々に正常な状態に戻ります。
季節の変わり目は頭皮環境の変化により抜け毛が多くなる
季節の変わり目、特に春と秋に抜け毛が増加するのは、気温や湿度の変化による頭皮環境の変化が原因です。
春は気温の上昇により皮脂の分泌が活発になり、頭皮のベタつきや毛穴の詰まりが起こりやすくなります。秋は夏の強い紫外線によるダメージや、エアコンによる乾燥の影響で、頭皮が敏感になっている状態です。
また、冬は室内暖房による乾燥が、頭皮の保湿バランスを崩す原因となります。季節による抜け毛は一時的なものですが、適切なケアを行わないと頭皮環境の悪化につながります。
シャンプーの方法や頭皮ケア用品の見直し、室内の温度や湿度の管理により、季節の変化による抜け毛を最小限に抑えることができます。
女性の薄毛対策・治療のよくある質問

薄毛に悩む女性からは、治療の効果や費用、原因に関する質問が多く寄せられます。中でも特に多い質問の詳細と回答を紹介します。