不育症検査
不育症の原因
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血液凝固異常
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血液の凝固異常は血栓症の原因となります。
「血栓症」とは、血管の中に血液の塊ができることで血管を塞ぎ、塞がれた後の組織や細胞に必要な酸素や栄養がいかなくなってしまう疾患のことをいいます。
特に、赤ちゃんに栄養を運ぶための胎盤の血流は遅く、血管が細いため、血栓症が起こりやすいとされています。
血栓症によって赤ちゃんに十分な栄養がいかないことで、流産や死産、赤ちゃんの成長を妨げてしまうことがあります。
血液の凝固異常の代表的な疾患に「抗リン脂質抗体症候群」があります。抗リン脂質抗体は血栓症を作るだけではなく、胎盤のまわりに炎症を引き起こすことで流産に繋がることもわかっています。
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内分泌異常
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甲状腺ホルモンや血糖値の異常は妊娠継続に関与しています。
甲状腺ホルモンは自己抗体の影響で、高血糖は胎児の染色体異常を増加させる影響で、それぞれ流産のリスクが高くなることが指摘されています。 そのため、妊活中から内分泌系のホルモンを良好な状態に保つ必要性があります。
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子宮形態異常
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子宮形態異常には、生まれつき子宮の形に異常がある先天的なものと、子宮筋腫などによる後天的なものがあります。不育症との因果関係がはっきりしているのは先天的な子宮形態異常です。子宮の形によっては着床の障害や、胎児や胎盤を圧迫して流産・早産になることがあると考えられています。一般女性の約3.8〜6.7%に認められ、程度や形は様々だといわれています。子宮形態異常は不育症患者の約12〜16%に認めます。
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夫婦染色体異常
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夫婦のどちらかに染色体異常があることで、卵子や精子の染色体に異常が出るものをいいます。
これは夫婦に特に症状がなく健康であっても起こり、流産の原因となります。
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胎児染色体異常
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自然流産で最も多い原因が胎児染色体異常といわれています。
流産の約80%に胎児の染色体異常が認められており、そのほとんどは偶発的な染色体異常とされています。
しかし、女性の加齢とともにこれが原因での流産は上昇すると考えられています。
不育症の原因はこれらのことが挙げられますが、不育症の約25%は原因不明であり、原因が複合している場合もあります。
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不育症の検査について